San Francisco, CA, USA
June 17, 2008
HSAベンチマーク調査の分析:市場トレンドと経済性
HSA Benchmarking
Analysis: Market Trends and Economics
セレント発行レポート
2006年12月から2008年1月までに医療貯蓄口座(HSA)の件数は73%、預金残高は140%それぞれ増加しており、この分野は銀行にとって極めて魅力的な市場のように見えます。しかし、1口座当たりの利益は銀行によって60ドル(約6,000円)から100ドル(約11,000円)まで差があり、銀行内部からみると状況はやや不透明です。収益およびコスト構造にこのような違いが生じるのは、HSA市場がいまだ「再編前」の段階にあり、今後市場プレイヤーが「作り手」と「売り手」に分割されることを示唆しています。
2004年の導入以来、医療貯蓄口座(HSA)は業界やマスコミの注目を集めてきましたが、HSAの実績を示す定量データはほとんど発表されていません。これまでに公表された情報は、市場全体のHSAの口座数や残高に限られていました。セレントは、適切なデータが不足している現状を踏まえ、HSAの保管銀行が競合相手と相対的なパフォーマンス比較を行うためのよりきめ細かなリサーチが必要であると判断しました。
ヘルスケア・バンキングに関する第1弾のレポート「HSAベンチマーク調査の分析:市場トレンドと経済性」は、セレントが初めて実施したHSAベンチマーク調査(年2回実施予定)の結果を紹介しています。今回の調査は、2005年12月から2008年1月にかけて銀行が進めてきたHSAプログラムの成果を詳しく分析しています。調査に参加した14行はHSAの口座数、残高、入出金、投資先、価格、利益、コスト、機能、販売状況などに関する内部データを提供しています。
今回の調査で、以下の点が明らかになりました。
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1口座当たりの平均預金残高は2006年12月時点の1,028ドル(約108,000円)から1,400ドル(約148,000円)に上昇した。預金残高は課税対象額を下回る傾向にあるが、前年比では増加している。
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預金残高と銀行の規模(預かり資産の合計残高)に相関関係はない。また、出金額と銀行の規模の間にも相関関係はみられず、各銀行の業績よりも市場の動向が消費者に大きな影響を与えていることがうかがえる。
• 手数料は大幅な値下げ圧力にさらされている。調査対象銀行の半数は開設手数料を課しておらず、月次手数料も以前より減少しつつある。
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1口座当たりの平均利益は12ドル(約1,200円)強から120ドル(約12,000円)までの幅広いレンジにわたっている。主な収益源は要求払い預金(DDA)のスプレッドと月次手数料である。
• 1口座当たりの平均コストも22ドル(約2,300円)から110ドル(約16,000円)と大きな差がある。

出典:セレントのHSAベンチマーク調査(第1回)
1 その他には口座借り越し手数料、不渡り手形、小切手作成手数料などが含まれる
「HSA市場はいまだ未成熟な市場です。今後は安定して成長し、コスト改善や顧客の獲得・維持に向けた競争の激化と各行による取り組みの強化が進むでしょう。顧客獲得競争の激化は、顧客向けリモートサービスへの投資や価格戦争に発展するとみられます」とセレント銀行プラクティスのシニアアナリストでレポートの共同執筆者でもあるレッド・ギレンは述べています。
もう1人の執筆者でシニアバイスプレジデントのアレンカ・グリリッシュは、「長期的な勝敗は、顧客を維持できるかどうかにかかっています。事業規模と顧客の維持が実績を左右するクレジットカード業界と同様、HSAの分野でも少数の「作り手」による市場支配が強まる一方で、販売チャネルは多くの銀行や第三者に細分化されるでしょう。」
本レポートは銀行のHSA事業に最適なパフォーマンス基準を評価し、潜在的な要因やトレンドを分析しています。その内容は、セレントのHSAベンチマーク調査(第1回)に関する詳細レポートの概要をまとめたものであり、同調査の詳しい情報はこちらからご覧になれます。
現在、セレントでは2008年8月に実施する第2回HSAベンチマーク調査への参加銀行を募集しています。参加銀行には、個別にセレントのアナリストとのフィードバック・ミーティングで詳細な分析結果が提示されます。詳しい情報は、田中雅樹(mtanaka@celent.com)までお問い合わせ下さい。
本レポートは21図を含む33ページで構成されています。レポートの目次はオンラインでご覧になれます。
セレントでは7月9日に上記調査に関するウェビナーを開催します。詳細のお問い合わせや登録申し込みはこちらをクリックして下さい。
注)ドルから日本円への換算レートは、2008年5月30日の仲値(三菱東京UFJ銀行公表による)を参照。
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